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住民税の改定はいつ?従業員の手取りへの影響と経理担当者の注意点

2026/10/02

「6月の給与から手取りが急に変わったのはなぜ?」「住民税の改定時、経理では何を確認すればよい?」と迷うことは少なくありません。

結論として、給与から天引きする住民税(特別徴収)の金額は、原則として毎年6月に切り替わり、翌年5月まで適用されます。従業員の手取りは、前年の所得や控除の状況、自治体から通知された税額によって増減します。経理担当者は、自治体の通知どおりに給与計算へ反映し、退職・転職などの異動手続きを期限内に行うことが重要です。

住民税が変わる時期は原則「毎年6月」です

会社員の住民税は、給与から差し引く特別徴収で納めることが一般的です。特別徴収とは、会社が従業員に代わって住民税を給与から控除し、自治体へ納める方法です。

住民税は、その年の収入に対して同じ年に課税されるものではありません。前年1月1日から12月31日までの所得を基に税額が計算され、翌年度に納めます。

対象となる所得住民税を給与から天引きする期間
2025年1月1日から2025年12月31日までの所得2026年6月から2027年5月まで
2026年1月1日から2026年12月31日までの所得2027年6月から2028年5月まで

したがって、2026年6月の給与では、2025年中の収入や各種控除を基にした住民税額へ切り替わります。5月までの控除額と6月以後の控除額が異なることは、通常の運用です。

従業員の手取りはどう変わる?

住民税の月額が上がれば、その分だけ給与の手取りは減ります。反対に、住民税の月額が下がれば、手取りは増えます。給与額そのものが変わらなくても、6月に手取り額が変動する主な理由は住民税です。

住民税が増えやすい主なケース

  • 前年の給与、賞与、副業などの所得が増えた
  • 前年に受けられた所得控除が減った、または受けられなくなった
  • 扶養親族や配偶者の状況に変更があった
  • 住宅ローン控除や寄附金税額控除など、税額控除の状況が変わった
  • 自治体の税額計算に影響する制度改正が適用された

住民税が減りやすい主なケース

  • 前年の所得が減った
  • 扶養控除、配偶者控除、社会保険料控除などが増えた
  • ふるさと納税などの寄附金税額控除が適用された
  • 確定申告や自治体への申告内容が税額に反映された

手取りの変化のイメージ

たとえば、5月までの住民税が月8,000円で、6月から月12,000円になった場合、ほかの控除額や給与額が同じであれば、6月以後の手取りは原則として月4,000円減ります。

ただし、手取りは所得税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などにも左右されます。住民税だけを見て手取りの増減を判断しないようにしましょう。

「住民税の改定」と「毎年の税額切替」は分けて考えます

6月に住民税が変わることを「改定」と表現することがありますが、すべてが税制改正によるものではありません。多くの場合は、前年所得を基にした毎年の税額の切替です。

一方で、控除額や非課税となる基準などの制度改正が行われた場合には、その改正の適用時期に応じて住民税額にも影響します。制度改正の適用年度は内容ごとに異なるため、「改正が公表された年」と「給与からの住民税が変わる年」は必ずしも同じとは限りません。

経理担当者が6月前後に確認したいこと

1. 特別徴収税額決定通知書を確認する

自治体から会社宛てに届く特別徴収税額決定通知書には、従業員ごとの年税額と月ごとの控除額が記載されています。給与計算では、前年の金額を継続するのではなく、通知書に記載された月割額を登録してください。

月額は単純に年税額を12で割った金額と一致しないことがあります。端数処理により、特定の月だけ金額が異なる場合があるため、通知書の各月の金額をそのまま使用することが大切です。

2. 給与計算システムの切替月を確認する

6月支給分から控除するのか、6月勤務分を翌月支給する会社でどの給与に反映するのかは、給与計算の締日・支給日との関係で確認が必要です。自治体通知の対象月と給与ソフトの控除月がずれないように、事前にテスト計算を行うと安心です。

3. 従業員へ納税義務者用通知書を渡す

従業員本人向けの通知書を会社が受け取る場合は、速やかに本人へ配付します。従業員が手取りの変動理由を確認するための重要な書類です。電子で受け取る運用の場合も、社内の配付方法と個人情報の取扱いを整えておきましょう。

4. 退職・休職・転勤がある従業員を確認する

退職、休職、転勤などにより給与から住民税を控除できなくなる場合は、原則として異動があった月の翌月10日までに、従業員の住所地の自治体へ給与所得者異動届出書を提出します。

届出が遅れると、税額変更や普通徴収への切替が遅れ、従業員に一度に大きな納付負担が生じるおそれがあります。退職月や最終給与・退職金の額によっては、未徴収税額を一括徴収する必要があるため、個別に確認してください。

5. 納入期限を管理する

会社が給与から控除した住民税は、原則として控除した月の翌月10日までに自治体へ納入します。納入漏れを防ぐため、給与確定、住民税データ更新、納付データ作成、納入という流れを月次業務として管理しましょう。

まとめ

給与から天引きする住民税は、原則として毎年6月から翌年5月までの12回で徴収されます。6月に従業員の手取りが変わる主な理由は、前年の所得や控除を基に住民税額が切り替わるためです。

経理担当者は、自治体の特別徴収税額決定通知書に基づいて正確に給与計算へ反映し、従業員への通知書配付、異動届の提出、期限内納入を確実に行いましょう。税額そのものに疑問がある場合は、給与計算担当ではなく、原則として従業員の住所地の自治体窓口へ確認するよう案内するとスムーズです。

参考資料

記事監修者

佐野 元洋

かなえ経営株式会社 代表取締役
焔(ほむら)綜合会計事務所 所長
税理士・ファイナンシャルプランナー(CFP)
奈良県中小企業家同友会所属 会内役職:副代表理事

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