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給与の「収入」と「所得」の違いとは?源泉徴収票の見方もやさしく解説

2026/10/27

「年収」と「所得」は同じ意味だと思われがちですが、税金の計算では明確に区別されます。結論からいうと、収入は会社から支払われる給与の合計額、所得は収入から給与所得控除を差し引いた後の金額です。

手取り額とも異なるため、源泉徴収票や扶養・住宅ローンなどの手続きで数字を見るときは、どの金額を指しているのかを確認することが大切です。

給与の「収入」と「所得」の違い

用語意味主な確認場所
給与収入会社から支払われる給与や賞与などの合計額です。原則として、税金や社会保険料が差し引かれる前の金額をいいます。源泉徴収票の「支払金額」
給与所得給与収入から給与所得控除を差し引いた金額です。源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」
手取り額給与収入から所得税、住民税、社会保険料などが差し引かれ、実際に受け取る金額です。給与明細、振込額

つまり、一般的には給与収入 > 給与所得 > 手取り額という順番になります。

給与所得はどのように計算する?

給与所得は、次の式で考えます。

給与収入 − 給与所得控除 = 給与所得

給与所得控除とは、会社員やパート・アルバイトの方に認められている、勤務に伴う必要経費を概算で差し引くための仕組みです。個人事業主が売上から実際の必要経費を差し引いて所得を計算するのに対し、給与所得者は原則として給与所得控除を用います。

控除額は給与収入に応じて決まり、給与収入が増えるほど計算方法も変わります。そのため、給与収入だけを見て「これが税金計算の対象額」と考えないよう注意が必要です。

具体例で見る収入・所得・手取りの関係

たとえば、1年間に会社から支払われた給与と賞与の合計が500万円だった場合、500万円が給与収入です。

ここから、その年の制度に基づく給与所得控除を差し引いて算出された金額が給与所得になります。さらに、給与所得から社会保険料控除、生命保険料控除、扶養控除、基礎控除などの所得控除を差し引き、税率をかけて所得税が計算されます。

なお、実際の振込額である手取りは、給与収入から税金や社会保険料などが差し引かれた後の金額です。したがって、手取り額は給与所得そのものではありません。

源泉徴収票ではどこを見ればよい?

年末調整後に勤務先から交付される源泉徴収票では、主に次の項目を確認します。

  • 支払金額:その年の給与収入にあたる金額です。
  • 給与所得控除後の金額:給与収入から給与所得控除を差し引いた、給与所得にあたる金額です。
  • 所得控除の額の合計額:社会保険料控除や扶養控除などを合計した金額です。
  • 源泉徴収税額:年末調整後の所得税および復興特別所得税の金額です。

ただし、源泉徴収票の記載内容は、年末調整の対象となった給与などを前提とします。副業、不動産収入、医療費控除などがある場合は、確定申告によって税額が変わることがあります。

「収入」と「所得」を間違えやすい場面

扶養や配偶者控除の判定

税金上の扶養や配偶者控除などでは、原則として「収入」ではなく所得を基準に判定する場面があります。案内に「合計所得金額」と書かれている場合は、年収や手取り額ではなく、所得の金額を確認しましょう。

住宅ローンや賃貸借契約の審査

金融機関や不動産会社では、年収として給与収入を確認することが一般的です。ただし、審査で必要となる書類や見られる項目は申込先によって異なります。提出前に、源泉徴収票のどの欄が必要か確認すると安心です。

確定申告・住民税の申告

申告書では、収入金額と所得金額を分けて記載する場合があります。給与の「支払金額」をそのまま所得欄に転記しないよう、源泉徴収票の項目名を確認して入力することが大切です。

まとめ

  • 給与収入は、会社から支払われる給与・賞与などの合計額です。
  • 給与所得は、給与収入から給与所得控除を差し引いた金額です。
  • 手取り額は、税金や社会保険料などを差し引いた実際の受取額であり、所得とは別の金額です。
  • 源泉徴収票では、「支払金額」が収入、「給与所得控除後の金額」が給与所得の目安になります。

手続きで「収入」と「所得」のどちらを求められているか迷ったときは、まず書類の表現を確認しましょう。税金に関する判定では所得が基準になることがあるため、源泉徴収票の該当欄を見て判断することがポイントです。

参考資料

記事監修者

佐野 元洋

かなえ経営株式会社 代表取締役
焔(ほむら)綜合会計事務所 所長
税理士・ファイナンシャルプランナー(CFP)
奈良県中小企業家同友会所属 会内役職:副代表理事

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