今回は、自己資本比率についてお話しします。
⑴自己資本比率とは?
そもそも自己資本比率の「自己」とは何でしょうか?
文字通り受け取ると、自分のことですよね。
では、これを「資本」に置き換えるとどうでしょうか?
資本とは、事業活動などの元手となるお金のことですね。
そうすると、自己資本とは「自分のお金」ということになります。
つまり、会社にとって「自分のお金」なので返済の必要がないということです。
どういうものがあるかというと、企業のオーナーや投資家が出資した資金(資本金)や自らが稼ぎ出して蓄積された累積利益がそれに当たります。
そして、全部の会社の財産のうち、「自分のお金」がどれだけあるかの割合を「自己資本比率」というわけです。
この比率が大きいということは、自分のお金の比率が大きいということになるので、大きければ大きいほど体力のある財務的に優良な会社とみなされることになります。
(2)自己資本比率はどうやって計算できるのか?
自己資本比率=自己資本(純資産の部合計)÷総資本(負債・純資産の部合計)×100%
算式にするとこんな感じです。
なんか難しそう……と思ってしまいますよね。
難しく考える必要はありません。
貸借対照表の右下だけを見てください。
そこが図のように分数になっていますので、
①÷②をすれば終わりです。
簡単でしょう⁈
あなたの会社の自己資本比率はいくらだったでしょうか?
流動資産:600 |
| 負債の部 :700 |
固定資産;400 |
| ①純資産の部:300 |
資産の部合計:1,000 |
| ②負債・純資産の部合計:1,000 |
(3)自己資本比率はどれくらいあればいいのか?
適正な水準は業種や企業の規模によって異なります。
一般的には、自己資本比率が高いほど財務的に安定しているとされていますが、業界によっては、自己資本比率が低くても一定の範囲内であれば問題がない場合があります。
以下に、一般的な自己資本比率の目安を示します。(中小企業庁「平成30年中小企業実態基本調査」による業種別の黒字企業の平均)
建設業 :40%
製造業 :45%
情報通信業:58%
運輸業 :36%
卸売業 :38%
小売業 :36%
飲食業 :14%
不動産業 :32%
サービス業:45%
理想としては、自分のお金と借入金が半々である50%以上が望ましいと言えます。
中小企業としては、まずは30%を目指しましょう!
⑷まとめ
自己資本比率を上げるためには、自己資本を増やす必要があります。
自己資本を増やすには、税引後の当期純利益を増やすことが必要です。
税金を払いながらでないと、自己資本は増えていかないのです。