6月13日に閣議決定された「こども未来戦略方針」には、2030年(令和 12年)に向けた具体的な施策が掲げられています。ここに記載されている児童手当の拡充と扶養控除について確認 します。
児童手当の拡充
今後3年間の集中的な取組として掲げられた「加速化プラン」の具体的な施策として、児童手当の拡充があります。現在との比較を表にすると、次のとおりです。
現在、主たる生計者の年収が一定額以上に なると、支給額が減額または支給対象外となる 所得制限について、これを撤廃して全員に減額なく給付することとし、支給期間について上表 のとおり高校生まで延長する拡充案が示されて います。
また、子が3人以上の世帯への経済的支援として、第 3子以降の児童手当を3万円へ増額 する案も掲げられています。
扶養控除との関係
この支給期間の延長に対して、次の一文が脚 注に記載されています。
その際、中学生までの取扱いとのバランス等を踏ま え、高校生の扶養控除との関係をどう考えるか整 理する
これは、こども手当(現在の児童手当)の創 設に伴い、年少扶養親族(0 ~15 歳)に対する 扶養控除が平成22年度税制改正で廃止され たことを思い起こさせます。また、高校の実質無 償化に伴い、16 ~18 歳までの特定扶養控除 の上乗せ部分が廃止されたのも同時期です。これらが廃止されたことで一定の子育て世帯の負担増が問題視されていますが、同等の見直 しが検討されようとしています。
児童手当の拡充は、令和 6 年度中の実施が検討されるようですので、令和6年度税制改正で扶養控除が見直される可能性があります。