中小企業の景況感 | かなえ経営株式会社(税理士法人トレイス)

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中小企業の景況感

中小企業の景況感

筆者:税理士 佐野 元洋
"中小企業の経営参謀"

5月に新型コロナが2類から5類に引き下げられ、一応の収束を見た格好になっています。

しかし、中小企業にとってはコロナ融資の返済開始、原材料高、エネルギー高、人材不足など経営環境は厳しくなっています。

先日発表された4-6月期の中小企業景況調査結果を見ていきたいと思います。

⑴業況判断DI

全産業で前期(2023年1-3月期)より2.9ポイント増加し、2期連続での上昇となっています。業種別では、建設業4.9ポイント増、サービス業で4.7ポイント増、製造業で3.2ポイント増、小売業で0.8ポイント増、卸売業で0.5ポイント増とすべての産業で増加しています。

ほとんどコロナ前の水準に戻っていると言えるでしょう。

⑵原材料・商品仕入単価DI

売上は改善してきていますが、原料・商品仕入価格の高騰が利益を圧迫しています。

原料・商品仕入については、頭打ち感はあるものの過去最高水準を維持した状態です。

⑶売り上げ単価・客単価DI

原料・商品仕入単価の高騰により、売上単価・客単価DIは上昇傾向にあるため、価格転嫁は進んでいると言えるでしょう。

⑷人材過不足感DI

業績の回復に伴い、全産業で人出不足感が増しています。特に、建設、サービス、飲食業での人手不足が深刻さを増しています。

⑸まとめ

全体的に、コロナショックからの業績・売上は回復してきています。

原材料・仕入単価の高騰により売上単価はアップしています。価格転嫁ができなければ厳しい状況に陥ります。

人手不足も深刻になってきており、採用に係るコストも増大してきています。

また既存の社員に対しても賃上げする必要があり、賃上げできなければ優秀な人材の流出の恐れも出てきます。

コロナは落ち着きを見せてきたもののそれ以上に経営環境は、厳しさを増してきています。

何に投資し、何に注力するのか、限られた経営資源を有効に活用できるようしっかりとした戦略を立ててこの激動期を乗り越えていきましょう。

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