企業が、成長するためには設備投資をはじめ投資は欠かせません。
前回、人に対する投資(人材採用)に計画についてお話しさせていただいたので、今回は設備に対する投資の考え方を見ていきたいと思います。
(1)投資キャッシュフロー
投資キャッシュ・フローは、設備投資や余剰資金の運用などの投資活動におけるキャッシュの動きを表すものです。例えば、機械設備や備品類、ソフトウェアの購入・売却などです。有価証券や投資有価証券の取得・売却など、将来に向けた投資などのためにキャッシュがどれくらい増減したかを示します。
一般的に、投資の支出は営業キャッシュフローの範囲で行うべきであれると考えられます。
しかし高額の投資の場合、1期の営業キャッシュフローで賄うことには限界があります。
蓄積した自己資本又は借入金により賄われるのが一般的です。
資金残高が少ない時には、未稼働資産や非事業用資産の売却により、資金残高を増やし、資金の安定化や営業キャッシュフロー改善のための活用も必要になってきます。
今回は事業用投資に絞ってお話させていただきます。
(2)業務用資産の投資と回収
事業用資産には、土地建物(事業用)、機械設備、情報機器・ソフトウエアなどがあります。
事業用資産への投資結果は、営業キャッシュフローに貢献するものですから、
・投資によりどの位の利益が創出できるか?
・投資源の抑制はできるか?
同じ目的達成にかかる投資額の抑制という視点が必要です。また中には営業CFを生んでいない低稼働・未稼働資産もあるためです。
・売却すべき事業用資産はないか?
も大切な視点になります。
(3)どのくらいの利益を生み出すのか?
①機械設備であれば、どれだけの粗利が見込めるのか?
②建物や土地であれば、賃借していたコストがどれくらい浮くのか?
③その他の設備投資については、どれだけ生産性が向上したか(投入する人件費がどれくらい削減できたか)?
④ホームページ作成の場合は、どれだけ集客につながっているのか?
という、
その設備投資によってどれだけの利益を生み出せるのか?
が一番重要なポイントです。
(4)キャッシュフローは回るのか?
①キャッシュフロー
借入をして設備投資する場合には、
減価償却額>借入金返済額
となっているか?ということは重要なポイントとなります。
②何年で回収するのか?
回収期間=投資額÷各期の平均キャッシュフロー
投資額を、投資によって得られるキャッシュフローの平均値で割って、投資資金の回収期間を算出する方法です。
(5)まとめ
利益とキャッシュフロー両方の観点から、この設備投資を進めるべきなのか中止すべきかの判断をする必要があります。
見積を誤らないように、しっかり計画を立てましょう!