採用予算の立て方 | かなえ経営株式会社(税理士法人トレイス)

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採用予算の立て方

採用予算の立て方

筆者:税理士 佐野 元洋
"中小企業の経営参謀"

人を採用したいけど、雇ってやっていけるのだろうか?
採用した後、どれくらいコストがかかり、どれくらい売上をあげればいいのだろうか?
こんな悩みを経営者の方から聞くことが多いです。
今回は、採用予算について考えたいと思います。

(1)採用コスト

採用活動をケース別に見てみましょう。

①ハローワーク
メリット;コストがかからない、助成金が使えるものが多い
デメリット:なかなかマッチする人材に巡り会えない、在職者には当然情報が届かない

②求人広告
メリット;幅広く人材を募ることができる
デメリット;エリアや期間にもよるが、広告費用がかさむ、費用をかけても応募が来る保証はない

③人材紹介
メリット;自社にマッチする人材を紹介してもらえる、タイミングが合えば短期間で採用が決まる
デメリット;費用が高額(年収の30〜40%が相場)、紹介で採用した人はより良い条件で引き抜かれる可能性がある

(2)採用後の費用

①人件費
賃上げの流れを受け、新卒でも月給23〜25万円、中途入社の場合は30万円以上となるケースも多いでしょう。
賞与を何ヶ月分支給するかも求職者にはみられるポイントとなります。

②通勤費
電車やバスの定期代

③法定福利費
社員の厚生年金および健康保険の会社負担分を言う
給与+通勤費の合計の15%ぐらいが会社負担額となります。

④備品
携帯電話やパソコン、事務机と椅子、教育のための研修費などが新たな経費として考えられます。

(3)どれくらいの売上が必要か?

月額のコストとしては、①+②+③+携帯電話代など。
最低限この増える分の粗利を稼がないといけないということになります。

具体例で見ていきましょう。
①月給25万円、賞与3ヶ月分
②通勤費3万円
③法定福利費 (①+②)×15%=4.2万円
④携帯電話0.8万円
とすると、月額では①+②+③+④=33万円の費用負担増となります。
粗利率が、30%の会社だとすると、
33万円÷30%=110万円の売上が必要ということになります。

年間で考えると、
賞与25万円×3=75万円
賞与の法定福利費75万円×15%=11.25万円
月額の33万円×12+75+11.25=482.25万円
粗利率30%とすると、
482.25万円÷30%=1,607.5万円の売上が必要となります。
採用コストまで考えると、採用活動をする年は、2,000万円前後の売上増が必要となります。
年商1億円の会社からすると、20%に相当しますから、かなりハードルの高い数字と言えます。

(4)まとめ

既存社員の賃上げもしないといけないですし、新たな人材の採用も費用面では大きな負担です。
しかし、積極的に新たな人材を採用していかないと企業の成長、発展は望めません。
自社の人材戦略、採用戦略を見直してみましょう。

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