寄付金の扱い | かなえ経営株式会社(税理士法人トレイス)

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寄付金の扱い

寄付金の扱い

筆者:税理士 佐野 元洋
"中小企業の経営参謀"

新年早々に能登半島を襲った地震。

被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。

このニュースを見て、自分も何かしらお役に立ちたいと寄付金の扱いの質問をよく受けます。

⑴個人の場合(所得税)

①概要

国や地方公共団体、特定の法人などに寄附をした場合は、確定申告を行うことで、所得税及び復興特別所得税が還付される場合があります。

②所得控除

寄付金の額-2,000円

が、合計所得から控除されます。

所得控除ですので、社会保険料や生命保険料の控除と同じで税率をかける前の段階です。

③税額控除

⚫︎政党等への寄付

(政党等への寄付額-2,000円)×30%

⚫︎認定NPO法人等への寄付

(認定NPO法人等への寄付額-2,000円)×40%

⚫︎公益社団法人等への寄付

(公益社団法人等への寄付額-2,000円)×40%

⑵法人の場合(法人税)

①概要

国や地方公共団体への寄附金と指定寄附金はその全額が損金になり、それ以外の寄附金は一定の限度額までが損金に算入できます。

②国等に対する寄付金及び指定寄付金

国や地方公共団体に対する寄附金及び指定寄附金は、その支払った全額が損金に算入されます。

③特定公益増進法人等

特定公益増進法人や認定NPO法人に対する寄付金は、寄付金額と次の特別損金算入限度額とのいずれか少ない金額が損金に算入されます。

〔資本金等の額×12分の当期の月数×1000分の3.75+所得の金額×100分の6.25〕×2分の1

④一般の寄付金(②及び③以外)

〔資本金等の額×12分の当期の月数×1000分の2.5+所得の金額×100分の2.5〕×4分の1

⑶まとめ

個人と法人でも計算の仕方が違いますし、寄付の支払先によっても全額控除できない場合や全額経費とならない場合があります。

例えば、ネットで募集している場合や現地で活動している任意団体など支払先によっては、経費とならない可能性があります。

あくまで被災地を応援する気持ちが前提ではありますが、経費にもしたいと考える方は支払先の内容やお金の使い方などをしっかり吟味した方がよいでしょう。

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