来年度の税制改正大綱が発表されました。
税目ごとに見ていきましょう。
⑴個人所得税
●定額減税
令和6年分の所得税について、定額による所得税額の特別控除を実施
〇居住者の所得税額から、特別控除の額を控除する。
(注)令和6年分の合計所得金額が1,805 万円以下である場合に限る
〇特別控除の額は、次の金額の合計額とする。
ただし、所得税額を限度とする。
① 本人 3万円
② 同一生計配偶者又は扶養親族 1人につき 3万円
●扶養控除などの見直し
児童手当では所得制限が撤廃されて、支給期間が高校生年代まで延長される。16歳から18歳までの扶養控除について、現行の国税38万円、地方税33万円の一般部分に代えて、かつて高校実質無償化に伴い廃止された特定扶養親族に対する控除の上乗せ部分(国税25万円、地方税12万円)を復元する。
●生命保険料控除の拡充
生命保険料控除における新生命保険料にかかる一般枠(遺族保障)について、23歳未満の扶養親族を有する場合には、現行の4万円の適用限度額に対して2万円の上乗せ措置を講じることとする。
一般生命保険料控除と介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の合計適用限度額は現行の12万円から変更しない。
⑵法人課税
●賃上げ税制の拡充
全法人向けの措置について次の見直しをしたうえで適用期限を3年延長する。原則の税額控除率を10%(現行15%)に引き下げる。税額控除率の上乗せ措置を次の場合の区分に応じてそれぞれ次の通りとする。
①給与支給額の増加割合が4%以上である場合・・・税額控除率に5%(増加割合5%以上なら10%、7%以上なら15%)を加算する。
②プラチナくるみん認定またはプラチナえるぼし認定を受けている場合は税額控除率に5%を加算する。中小企業の控除限度超過額は5年間の繰り越しができる。
●交際費等の損金不算入制度
損金不算入となる交際費等の範囲から除外される一定の飲食費にかかる金額基準を1人当たり1万円以下(現行:5000 円以下)に引き上げる。
➡現行5,000円以下を会議費として、全額損金としていた部分が、10,000円以下を会議費として処理が可能となる。
⑶まとめ
エネルギー高をはじめとする様々な物価高騰に配慮する形での減税色の強い内容になったように思います。
いつ増税に転じるのか引き続き注視が必要です。