RESASという名前を聞かれたことはありますか?
今日は、経済産業省が提供するビッグデータの分析システムであるRESASについてお話しさせて頂きます。
⑴概要
RESAS(地域経済分析システム)は、日本の地域経済の現状や動向を可視化するためのツールです。以下にRESASの主な特徴と業種別の具体的な活用方法をまとめます。
⑵RESASの特徴
データの多様性と広範性:地域経済、産業構造、人口動態、観光、農業、教育など多岐にわたるデータを提供。
国勢調査、経済センサス、観光統計、商業統計など、信頼性の高いデータを利用。
インタラクティブなデータ可視化:グラフ、地図、ヒートマップなどを用いてデータを視覚的に表示。地域ごとの比較や時間軸での変化を容易に確認可能。
カスタマイズ可能な分析:ユーザーが必要とするデータを組み合わせて、独自の分析を実施可能。フィルター機能を利用して、特定の条件に基づいたデータ抽出が可能。
無料で利用可能:公開情報として、誰でも無料で利用できるため、中小企業や地方自治体にも利用しやすい。
⑶業種別の具体的な活用方法
1. 小売業
市場分析:地域ごとの人口動態や消費者支出データを利用して、新店舗の立地選定やターゲットマーケットの特定に役立てる。
競合分析:周辺の競合店の数や業績データを分析し、差別化戦略を立てる。
観光データ:観光客の動向を把握し、観光地に近い店舗のマーケティング戦略を策定する。
2. 製造業
産業クラスターの把握:同業他社が集中している地域を特定し、サプライチェーンの効率化や協業の可能性を探る。
労働力の確保:人口動態や労働市場データを利用して、人材確保が容易な地域を選定する。
輸出入データ:地域の輸出入動向を分析し、海外市場への進出戦略を立てる。
3. 観光業
観光客の分析:訪問者数や宿泊数のデータを活用して、ピーク時期や人気スポットを把握し、サービス提供やプロモーションの最適化を図る。
地域資源の活用:自然資源や文化遺産のデータを元に、新しい観光商品や体験プログラムを開発する。
インバウンド対策:海外からの観光客データを活用して、外国語対応やインフラ整備などの準備を行う。
4.飲食業
人口動態分析:地域ごとの人口、年齢層、世帯数などのデータを用いて、新店舗のターゲット顧客が多い地域を特定する。
消費支出データ:飲食に関する消費支出データを活用し、飲食への支出が多い地域を選定する。
競合分析:周辺の飲食店の数や業態、売上データを分析し、競合店の少ない地域やニッチ市場を狙う。
地域の嗜好分析:地域ごとの飲食店データや消費者の嗜好データを活用して、人気のメニューやトレンドを把握し、メニュー開発に反映させる。
観光データ:観光地やイベント会場の近くに店舗を構える場合、観光客の動向データを基に、季節限定メニューや外国人観光客向けのメニューを企画する。
キャンペーンの最適化:特定のイベントや季節に合わせたプロモーションを計画するために、過去のデータを活用して効果的なキャンペーンを実施する。
客層の特定:地域ごとの住民データを基に、主な顧客層を特定し、それに合わせたサービスや接客スタイルを導入する。
リピーター対策:リピーターが多い地域や消費パターンを分析し、ポイントカードや特典付きメンバーシッププログラムを導入する。
顧客満足度の向上:飲食店のレビューや評価データを収集・分析し、サービスの改善点を特定し、迅速に対応する。
⑷まとめ
RESASを活用することで、よりデータに基づいた経営判断が可能となり、競争力の強化や効率的な運営が期待できます。