今日は、SWOTの有効な分析方法についてお話します。
⑴SWOT分析とは!?
SWOT分析は、企業やプロジェクト、ビジネスアイデアなどの戦略的評価を行う際に用いられるフレームワークです。「Strengths(強み)」「Weaknesses(弱み)」「Opportunities(機会)」「Threats(脅威)」の4つの要素に分けて分析します。
Strengths(強み)
内部環境のうち、企業やプロジェクトが持つ他にない資源や能力を指します。
例: ブランド力、技術的優位、優秀な人材、地理的条件など
Weaknesses(弱み)
内部環境で改善が必要なポイントや、競争上の劣位にある部分。
例: 資金力の不足、技術の遅れ、知名度の低さ、経営管理の問題など
Opportunities(機会)
外部環境の変化によって生じる、ビジネスの成長や成功に繋がる可能性を持つ要素。
例: 新しい市場の出現、規制緩和、技術革新によるチャンス、消費者ニーズの変化など
Threats(脅威)
外部環境の変化によって、事業にマイナスの影響を与える可能性がある要素。
例: 新規競合の登場、規制強化、経済状況の悪化、価格競争の激化など
SWOT分析の目的は、これら4つの視点から現状を客観的に評価し、強みを活かし、弱みを改善し、機会を最大限に活用し、脅威に対処するための戦略を立てることです。
⑵外部環境の分析(マクロ環境)
上記のうち、外部環境であるOpportunities(機会)とThreats(脅威)は客観的、科学的な根拠となるデータを集めて判断する必要があります。
その大いに助けとなるのが、以前ご紹介したRESAS(地域経済分析システム)です。
①業界動向を把握する
産業構造マップの中に、e-Statと連携した経済環境分析シートが新たに搭載されました。
これを活用し、まず自社の業界の大分類、中分類、分類コードまで絞り込んで、自社業界の付加価値額で市場規模を確認し、2022年と2023年を比較して増加しているのか減少しているのかを確認します。自社の黒字・赤字の情報を入れると信号機の色分けで判定してくれます。
業界が伸びているのに自社が赤字ならば、どこかやり方が間違っていいるのかもしれません。
業界自体が縮小している場合は、2つ目3つ目の柱を立てていく必要があるでしょう。
さらにBtoB事業の場合、自社がターゲットとする業界が増加傾向なのか減少傾向なのかのトレンドをつかんでおくことで、攻める業界の選定を科学的根拠に基づいて行うことができます。
②人口動態をつかむ
子供向けの事業をしている場合や高齢者向けの事業を展開している場合、地域の将来人口推計を確認することでどの市区町村でどの程度増減するのかという将来予測をつかむことで事業を展開するエリアを絞り込むことも可能となります。
⑶外部環境の分析(ミクロ環境)
①外国人消費の構造(クレジットカード)
日本を訪れる外国人がクレジットカードを利用した場合のデータが都道府県単位で、飲食、宿泊、小売、エンタメなどどこでどのくらいお金を使ったのかを分析することで、外国人をターゲットとした事業展開を考えることができます。
さらに、どこの国からきているかのデータもあるため、訪問の多い国の言語の案内を用意したり、その国の言語でのSNS発信を強化したりという戦略を立てることもできます。
②流動人口の把握
まちづくりマップの中の流動人口メッシュを分析することで、人流を把握することができます。
これは市町村の中の町名、街区何丁目という所まで落とし込めます。政令指定都市で250m四方、それ以外の都市で500m四方の四角まで絞れます。
これを活用して、小売店や飲食店、接客サービスの場合自社のエリアにどのくらい人がいるのかを分析することができます。
月単位で、平日、休日の何時まで絞り込めます。
これを活用し、営業時間を考えたり、人材配置のシフトを考えたりすることができます。
今後、250m→125m四方に、500m→250m四方に縮小されます。さらに、その中にいる人の性別、年代、どこから来たかが把握できるようになるとのことです。
⑷まとめ
外部環境の分析方法はまだまだあります。
大切なのは、何を知りたいのかの目的を持って、自分の得たい答えを集めるのではなく、客観的で科学的なデータを集めて分析し、戦略を立てることです。
ぜひ自社事業にお役立てください。