前回に引き続き、
今から間に合う3月決算法人向けの節税策をご紹介いたします。
⑤給与の未払計上
【オススメ度】
リスク ☆☆☆
経営ブレなし☆☆☆
効果 ☆☆
【趣旨】
締め切り日以降、決算末日までの給与を支払額の日割り計算した金額で未払計上する。
締め切り日が末日の場合で未払計上していない場合は、その全額を未払計上
【効果】
締め切り日以後のまだ支払っていない給料を損金経理した全額が損金算入となる。
【条件】
給与の締め切り日が末日でない。
または末日であるが、未払計上していない。
【注意点】
本来はこの処理が、会計的に正しい。
継続性の原則により、一度この方法を選択した場合には、
その後ある程度継続することが望ましい。
【リスク】
特になし
⑥決算賞与
【オススメ度】
リスク ☆☆☆
経営ブレなし☆☆☆
効果 ☆☆☆
【趣旨】
決算賞与を支払う(または未払計上する)ことで前向きな節税をはかる。
【効果】
賞与として損金経理した金額が、当期の経費となって、節税することが出来る。
一定の条件を満たした場合には、いまだ支払っていない賞与を損金とすることができる。
決算期末ぎりぎりに行うことができる、比較的有用性の高い節税。
【条件】
未払計上する場合は、以下の要件を満たすこと。
①その支給額を各人別にかつ同時期に支給を受ける全員に通知していること。
②①の通知をしたすべての社員に、その通知をした翌事業年度の期首から
一ヶ月以内に支払っていること。
③①の通知をして事業年度において、損金経理していること。
また、次の場合にも未払計上が認められないので、経営者とのすり合わせを行っておくこと。
・賞与の支給日に在職することを賞与支給の条件としている場合
・結果的に支給日到来前に退職した者に支給しなかった場合
共に、決算期末において債務確定していないということが否認理由。
【注意点】
未払計上の場合には、上記スキームを完璧に実行することが求められる。
一つでも満たさないと、全額否認されるので、極めて慎重に行う必要がある。
【リスク】
条件をしっかり満たしさえすれば、リスクはない
⑦出張旅費規程の作成
【オススメ度】
リスク ☆☆☆
経営ブレなし☆☆
効果 ☆☆☆
【趣旨】
出張旅費規程を作成して日当・宿泊料等をギリギリまで高く設定し、出張のつど
その規程に基づいて旅費を支払う。
社員がいない法人などでは、決算を迎えてから期中遡って計算して未払金として
計上することも考えられる(旅費規程の作成日は期首以前、適用日は期首とする)
【効果】
出張旅費規程に設定されている金額が常識を欠くものでなければ(公務員規程を基準とすると
問題がない)、役員および社員に実際にかかる旅費等より多額の金額を支払うことができ、
その全額を法人の経費とすることができる。
しかも個人側で給与課税はなく、法人経理で消費税の控除仕入税額対象となる(国内旅費のみ)。
【条件】
出張旅費規程を作成すること以外特段条件はないが、出張の機会が少ない場合には効果が低い。
【注意点】
出張旅費規程で設定されている日当等が非常識な金額でないこと。
基本的には公務員の規程を参考に作成することが望ましいか。
簡易でもかまわないので出張旅費精算書のフォーマットを作成し、出張のつど記載・保存する。
【リスク】
特になし
⑧固定資産の除却
【オススメ度】
リスク ☆☆☆
経営ブレなし☆☆☆
効果 ☆
【趣旨】
すでに廃棄した固定資産がいまだ固定資産として計上されている場合に、
その廃棄済みの固定資産を除却する。
(除却した事業年度で損金処理が本来の正しい処理)
【効果】
除却損として損金経理した金額を経費とすることができ、その分の税額が圧縮される。
【条件】
特になし
【注意点】
車両などの場合は、下取りに出していないか注意
【リスク】
特になし
様々な節税を駆使して、できるだけ出費を抑え、ポストコロナに備えておきましょう!
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