連日のようにコロナウイルス感染症の陽性者が報道されており、4月よりもさらに感染が拡大しています。
私たちの会社が置かれている大阪府においても、
1日200人以上もの感染者が出ています。
もはや、他人ごとではありません。
コロナの脅威がすぐそこまで迫っている中、
社員や家族の安全を守りながらも、事業を継続しなければならない。
そう悩んでいらっしゃる経営者の方も多いはず。
そこで今回は
- もし、社内で感染者が出た場合どうすればよいのか
- このような緊急事態が起こった場合にどう事業を継続していくのか
という2点についてお話させていただきたいと思います。
1.もし、社内で感染者が出た場合どうすればよいのか
どのような対策をしていたとしても、コロナウイルスを完全に防ぎきることは非常に困難です。
そのため、あらかじめ対応策をしっかりと確認しておき、社内での感染拡大を防ぎ、社員の健康や関係者の健康を守ることが必要です。
①もし感染者が出た場合、まずは速やかに保健所に報告し、対応に対する指導を受け、従業員に周知してください。
→感染者が発見できた場合、速やかに公的機関である保健所に報告しましょう。それにより、感染拡大の抑制につながります。
②保健所の調査に協力し、濃厚接触者の確定を受けます。
→感染可能性のある人を発見することで、感染拡大の抑制につながります。
③濃厚接触者と確定された従業員には、14日間出勤停止し、健康観察を実施してください。
→新型コロナウイルスの潜伏期間は14日間と推定されています。まだ瀬能区機関にある可能性が高いので、まずは自宅で待機してもらいましょう。
④濃厚接触者と確定された従業員は、発熱または呼吸器症状を呈した場合は、保健所に連絡し、行政検査を受検します。
→新型コロナウイルスに感染している人の大半は無症状患者が多いと報道されていますが、若い人でも重い症状が出る可能性があります。
⑤施設設備などの消毒の実施
→保健所の指示に従って、感染者が勤務した区域の消毒を行ってください。
もし、食品産業にかかわる企業の場合、一般的な衛生管理が実施されていれば、感染者が発生した施設等は操業停止や食品廃棄などの対応をとる必要はありません。
保健所の指示範囲外の過剰な消毒は、従業員や関係者の不安を煽ってしまう可能性があります。
「不安で不安で仕方ないから徹底的に消毒したい!」というお気持ちもわかりますが、あくまで必要な処置を心掛けましょう。
⑥業務の継続
→重要業務として優先的に継続させる業務を選定し、重要業務を継続するために必要となる人員、物的資源(マスク、手袋、消毒液等)等を把握してください。
→従業員の確保状況に応じた業務マニュアルを作成してください。環境が急激に変わってしまうため、普段の業務を行えず従業員が混乱する恐れがあります。そのため、マニュアルを作成し、従業員の混乱を招かないように注意しておきましょう。
(もし感染者が出てしまった場合、自らが冷静に判断できない可能性があるので、あらかじめ緊急事態用の業務マニュアルを作成しておくことがオススメです!)
詳しい対応については、農林水産省発表の
「食品産業事業者の従業員に新型コロナウイルス感染者が発生した時の対応及び事業継続に関する基本的なガイドライン」 <https://www.maff.go.jp/j/saigai/n_coronavirus/pdf/gl_syo.pdf>
をご覧ください。
今回のようなパンデミックはだれもが初めてです。
そのため、もし社内に感染者が出てしまった場合、どう対応すればよいかわからず、自らも混乱してしまうことは十分考えられます。誰も「ウイルスに対する防災訓練」を経験していないため、日ごろから対応策を確認しておくことはもちろん大切です。
しかし、「感染拡大を防ぐために、事業を停止する」ということはだれもできません。そのため、あらかじめ、BCP(事業継続計画)を立てておくと、混乱や資産へのダメージを最小限に抑えることができます。
2.このような緊急事態が起こった場合にどう事業を継続していくのか。
対応策として、あらかじめBCPを立てておく必要があります。
BCPって?
→「企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと」と中小企業庁HPでは説明されています。
参考サイト: 中小企業庁HP
いわば、「不測の事態の時に、どう事業を進めていくか決めておく計画」ということです!
具体的にどうすればいいの?
・優先して継続・復旧すべき中核事業を特定する
→どの事業を優先して残すべきか決めておきましょう!
・緊急時における中核事業の目標復旧時間を定めておく
→どのぐらいで事業を再開できるのか前もって計算しておきましょう!
・緊急時に提供できるサービスのレベルについて顧客と予め協議しておく
→お客様がちゃんと満足できるサービスを提供できるかわかりません。そのため、どこまでのサービスなら提供できるのか、お客様の理解を得られるのかを考えておきましょう!
・事業拠点や生産設備、仕入品調達等の代替策を用意しておく
→コロナウイルス以外にも地震や火災などで施設や設備が使えなくなる可能性があります。そのための代替策を検討しておきましょう!
・全ての従業員と事業継続についてコニュニケーションを図っておく
→従業員とも緊急事態の認識を共有しておけば、いざというときに混乱を抑えることができます!
あらかじめBCPを決めておくことで、混乱を最小限に抑えることができます!
今後もコロナウイルスの感染は拡大することが予想されます。
「もしも」の事態が起こる前に、従業員や家族を守るために今から準備しておきましょう!