2024年以降の生き残りに必要な条件 | かなえ経営株式会社(税理士法人トレイス)

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2024年以降の生き残りに必要な条件

2024年以降の生き残りに必要な条件

筆者:税理士 佐野 元洋
"中小企業の経営参謀"

2023年以降、原材料、エネルギー、人件費その他多くのものが値上がりし、高騰しております。

皆さまの企業では、これらの価格を反映した値上げ活動が行えていますか?

値上げ活動を行えていますか?

また、従業員への賃上げは行われていますか?

2024年以降は、次の2点、すなわち適正価格への値上げと人材確保が、企業が生き残るための必要条件となるでしょう。

⑴適正価格への値上げ

① 原材料・仕入価格の転嫁

原材料や仕入価格の販売価格への転嫁は、皆さんの企業でも実施されているかと思います。しかし、一度値上げをしたからといって安心できません。第2弾、第3弾の値上げも視野に入れる必要があります。

②エネルギー価格の転嫁

エネルギーの調達価格の高騰により、光熱費、特に電気代が急上昇しています。製造業を中心に電気使用量が多い場合は、しっかりと販売価格に反映させることが必要です。

③人件費増加分の転嫁

最低賃金は毎年上がり続けています。また、大卒初任給が月額25万円から30万円へと大幅に引き上げられています。これに伴い、既存社員のベースアップも必要になっています。卸売業や小売業では、人件費の転嫁は難しい場合が多いですが、製造業やサービス業では、人件費増加分を考慮した販売価格を設定しなければコスト倒れになる可能性もあります。しかし、原材料やエネルギー価格の上昇分の転嫁は認められても、人件費増の転嫁はなかなか認められないケースが多いでしょう。公正取引委員会から「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」が出されています。これを基にしっかりと交渉を行いましょう。

  

 ※「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」

労務費、原材料価格、エネルギーコスト等のコストのうち、労務費の転嫁に係る価格交渉について、発注者及び受注者それぞれが採るべき行動/求められる行動を12の行動指針として取りまとめたものです。根拠資料として、発注者との価格交渉において使用する労務費の上昇傾向を示す根拠資料としては、最低賃金の上昇率、春季労使交渉の妥結額やその上昇率などの公表資料を用いることとしていますので、実際に賃上げの根拠資料は不要ということになります。

⑵人材確保

①採用活動

今、人が足りているからといって、採用活動が不要だと思われる方もいるかもしれません。しかし、それは短絡的な考え方です。

採用活動とは、どの時期にどのポジションにどのような人材を採用するか、どのような組織にするかを明確にし、ターゲットを設定し、計画的に進める一連のプロセスを指します。会社の魅力を求職者にウェブやSNSで発信し、継続的にアピールすることも含まれます。

②社員の流出阻止

〇ベースアップ

単なる定時昇給や物価手当のような一時的な取り組みだけではなく、ベースアップが必要な時代になっています。物価上昇に対応できる生活費、自分の人生設計ができるだけの給与を保証することが重要です。

〇適正な評価制度

自分の能力や仕事ぶりを正しく評価する仕組みの構築が必要です。経営者の一存で給与が決まるのは、従業員のモチベーションを著しく低下させます。納得感のある評価制度を作り、適正な評価の仕組みを確立しましょう。

〇定期面談

退職理由の第一位は、35%の方が「職場の人間関係が悪い」※2と挙げています。(※2 エン転職 1万人アンケートより)従業員の心の状態に気を配り、定期的に悩みなどを話せる場の設置が重要です。

⑶まとめ

経営上の課題は、会社ごとに様々ですが、特に適正価格への値上げと人材確保の2点に重点を置いて取り組むことをお勧めします。

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