皆さんの会社では、経営指針書を作っていますか?
弊社はもちろん、私の周りの会社でも「この経営指針書を作って、活用し出してから会社が変わった!」という方が非常に多いです。
今日は、経営指針書についてお話していきます。
(1)経営指針書とは!?
聞きなれない言葉ですよね!?
私が、所属する中小企業家同友会で頻繁に使われているもので、次の4つの構成要素があります。
①経営理念
②10年ビジョン
③経営方針
④経営計画(数値計画と行動計画)
(2)経営理念
まずは、経営理念です。
皆さんの会社には、経営理念が存在しますか?
経営理念がなくても確かに経営はできます。
しかし、経営理念のない経営は、目的地を決めず、あてのない旅をするようなものです。
経営理念は、2つの要素から成り立っています。
- 1つ目は、企業のあるべき姿、社会に対しての存在価値を明らかにする目的理念。
- 2つ目は、それを実現するための全社員共通の基本姿勢、行動基準を明文化した行動理念。
最も重要なことは、「何のために経営を行うのか」という経営者の考え方、姿勢を明らかにすることです。
(3)10年ビジョン
次に、10年ビジョンです。
経営理念が「何のために?」という目的を追求していくものであるのに対し、10年ビジョンは「どんな風に?」という未来像を具体的に書き表した姿です。
経営理念を具現化するためにその過程においての自社の理想的な未来像(ありたい姿)を描くことです。
現状の延長線上ではなく、理想に基づき、将来のありたい姿を描くことが重要です。
10年ビジョンが達成された時に何が具現化されるのか、社会はどうなるのか、人々に何をもたらすのかなど、使命感や社会的な意義づけが必要です。
(4)経営方針
経営方針は、いわゆる経営戦略にあたる部分です。
SWOT分析で、自社の強み・弱みを抽出し、外部環境の機会と脅威を整理します。
それをクロスSWOT分析で、強みと機会を掛け合わせて、新たな事業機会を探ります。
中小企業にとっては、弱みを克服し、機会を捉えるよりも強みを生かす方が重要です。
機会に合わせた強みではなく、自社の本当の強みは何かを徹底的に掘り下げることが肝です。全社的に意見を出し合うのはもちろんですが、取引先や経営者仲間など外部の視点から意見をもらうことも大切です。
忘れてはならないのが、経営理念に照らし合わせてその戦略が合っているのかどうかを検証することです。
(5)経営計画
経営計画は2段階あります。
①数値計画
先の経営戦略を実行するしたら、どのような売上になり、実行するにあたってどのような経費がいくら必要になるのかを具体的に数字に落とし込んでいきます。
単年度計画では、月別の数値をしっかり決めましょう。
②行動計画(アクションプラン)
数値計画ができたら、その数字を達成するための具体的な行動目標を立てます。
5W1H(いつ? どこで? 誰が? 何を? なぜ? どのように?)を具体的に決めます。
特に月別に、誰が何をするのかを具体的に決めることが重要です。
この時には、検証ができるように、行動目標を数値化しておくとよいでしょう。
(6)全社共有と検証
以上のような過程で経営指針書が出来上がったら、ぜひ発表会をしましょう。
取引先や仕入先、金融機関などの方にも来て頂き、自社の考え方や方針を明らかにしておくことは重要です。
毎月月初10日までに前月の数値計画とアクションプランを達成できたかどうかの検証を行ないます。
達成できた場合は、その要因を整理し、達成できなかった場合は、なぜできなかったのかの追及ではなく、どうすればできるのか、今月達成するにはどうすればできるのかという視点で考えることが重要です。
簡単に達成できたり、まったく達成できない場合は、目標設定が現実と乖離しすぎている可能性があります。3ヶ月をめどに元の計画を修正した方がいいでしょう。
(7)まとめ
いかがでしたか?
なかなかやることが多く、大変な作業です。
しかし、これを実行すると間違いなく業績はよくなり、従業員の取り組む姿勢も変わってきます。
ぜひチャレンジしてみてください。
自社で経営指針書を作ることが難しい場合には、弊社がサポートさせて頂きます。
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