企業(法人)としてこの世に誕生した限りは、いずれ出口を考える必要があります。
今日は、企業の出口戦略について考えていきます。
⑴企業の5つの出口
企業の出口としては、次の5つが考えられます。
①倒産
企業経営が行き詰まり、弁済しなければならない債務が弁済できなくなった状態を通常は指します。
一般的には次の6つが考えられます。
1 銀行取引停止処分を受ける
2 内整理する(代表が倒産を認めた時)
3 裁判所に会社更生手続開始を申請する
4 裁判所に民事再生手続開始を申請する
5 裁判所に破産手続開始を申請する
6 裁判所に特別清算開始を申請する
②清算
会社を解散し、会社の解散後、会社が所有する資産や負債を処分します。会社の事業活動が停止しても、法律上、会社は残った状態になります。清算をすべて完了すると、会社は法的に消滅します。
③親族承継
子供や孫、甥姪など親族に承継することを言います。
④第三者承継(社員承継、M&A)
(イ)社員承継
第三者承継というとM&Aを想像されますが、社員承継も広い意味での第三者承継に該当します。
(ロ)M&A
外部の第三者に会社ごと譲渡するあるいは事業の一部を譲渡することを言います。
⑤IPO(株式公開)
IPOは未上場企業が新規で株式を発行し、証券取引所に上場することを意味します。
⑵中小企業の取るべき戦略
せっかく自分で起こした企業や代々受け継いできた企業を①倒産や②清算することは、世の中から消滅することを意味するので、これはできる限り避けたいです。
特に既存の顧客や取引先がある場合、従業員がいる場合には何としても継続を考えるべきでしょう。
また⑤のIPOはハードルが高く、だれしもができるものではありません。
となると会社を存続させるには、③の親族承継か④の第三者承継しかないことになります。
③は子供や甥姪がいないもしくは、継ぐ意志がなければ、そもそも成立しません。
となると④という選択肢があります。
④は、社内に後継者候補がいる場合といない場合で変わってきます。社内に後継者候補がいなければ、外部に求めるM&Aという選択肢が考えられます。
社内に後継者候補がいたとしても、後継者候補の親族の反対や株式の買取問題で頓挫した例は山ほどありますので、時間をかけて準備することが必要となります。
⑶まとめ
企業は継続することを前提として考えられていますが、そもそも舵取りをする経営者がいることが大前提です。
ご自身の親族や社内をよく見渡してみて、後継者とすべき人がいない場合に、清算を考える前にM&Aも選択肢の一つとして考えましょう!