ナッジ理論 | かなえ経営株式会社(税理士法人トレイス)

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ナッジ理論

ナッジ理論

筆者:税理士 佐野 元洋
"中小企業の経営参謀"

ナッジ理論って聞かれたことありますか?あまり聞きなれない言葉ですよね!?

私も最近まで知りませんでした。

実は、我々が知らないだけで街中にもあふれていますし、ビジネスや行政の現場でもあちこちで活用されています。

今日は、ナッジ理論について基本的なことを見ていきたいと思います。

⑴ナッジとは?

ナッジは、選択を禁止することも経済的インセンティブを大きく変えることもせずに、望ましい行動へと「予測可能な形」で変える設計のことと言われています。

もう少し、わかりやすい言葉で言うと、心をくすぐって、よい行動へと動かす工夫、とも言えます。危険な場所につい近づいてしまう子象に、母親が鼻先でそっと正しい道へと促すイメージです。

人を動かすアプローチは大別して

①情報提供

②(狭義の)ナッジ

③インセンティブ

④強制

の4段階があると言われています。

「選択を禁止することもインセンティブを大きく変えることもなく」というのは③④ではないことを意味しています。

人が行動しないのは、認知バイアスが働くことが明らかになってきました。

このため、「この状況でこの刺激があると人はこう反応する」と、「予想可能」になりました。ナッジはバイアスに寄り添ったアプローチです。

⑵ナッジのフレームワーク

ナッジには、EASTと呼ばれるフレームワークがあります。

Easy(簡単)

まず、Easy=簡単であるということが大切です。

人は面倒であると後回しにする修正があります。簡単に取り入れられるようにする必要があります。

Atractive(魅力的)

2つ目に、Attractive=魅力的であることが必要です。相手の注意を引く工夫をするということです。

人には「何かを得ることよりも、損失を回避したい気持ちの方が強い」という性質がありますます。

人は“損失を回避する”という特性を活用することで、行動を起こすきっかけを与えることができます。

Social(社会的)

3つ目は、Social=社会的であること。

ほとんどの人がやっていることや周りのみんながやっていることは、「自分もやらないといけない」という気持ちになり、行動を促進することになります。

Timely(たいみんぐ

4つ目は、Timely=タイミングがよいこと。

訴えかけるタイミングが適切であることが重要です。ニーズや欲求が高まっているときに、後押しする情報を提示する工夫が必要となります。

⑶ナッジの活用事例

事例1:スーパーのカゴの大きさ

スーパーのカゴを手に取ったとき、無意識にそのカゴいっぱいに商品を入れたいという心理が働きます。カゴの大きさを微妙に調節することで、売上アップを目指すのはナッジ理論を活用したテクニックです。

事例2:男子トイレの便器

男子トイレの便器に、ハエの絵を描いた取り組みがあります。それまでは、トイレをきれいに使うようにとお願いをしても、便器からそれた小便で床が汚れる、清掃するための人件費がかさむなど、多くの問題がありました。

ハエの絵を描いてからは、無意識に絵を狙うようになり、床の汚れが減り、清掃費用も大幅に抑えられたようです。

⑷まとめ

いかがでしたか?

今回ご紹介したのは、ナッジのほんの入り口の部分です。

みなさんもぜひナッジを学んで活用してみてください。

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