簡易キャッシュフローの活用 | かなえ経営株式会社(税理士法人トレイス)

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簡易キャッシュフローの活用

簡易キャッシュフローの活用

筆者:税理士 佐野 元洋
"中小企業の経営参謀"

コロナが落ち着き、コロナ融資の返済が始まっています。

あなたの会社のキャッシュフローは、回っていますか?

今日は、キャッシュフローの考え方をお話しします。

⑴簡易キャッシュフローとは?

簡易にキャッシュフローを計算する方法をお伝えします。

以下の算式で計算されます。

簡易キャッシュフロー=税引後当期純利益+減価償却費

※減価償却費は、固定資産の購入額を耐用年数に合わせて分割し、その期ごとに費用として計上するための勘定科目です。資産を購入した費用の全てをその年に計上しないというルールがあるのです。

このように減価償却費は、固定資産を取得した時に現金は支払います。しかし、その後は支払いがないので、現金支出を伴わない経費ということになり、キャッシュフローの計算上、利益に加算されます。

⑵簡易キャッシュフローの活用方法

①借入金の年間返済額との比較

簡易キャッシュフローと借入金の年間返済額を比べてみてください。

簡易キャッシュフロー<年間返済額 の場合 キャッシュフローが回っていないことになります。

簡易キャッシュフロー>年間返済額 の場合 キャッシュフローが回っています。

②借入残高との比較

これは、現状のキャッシュフローで借入金額を何年で返済出来るのかを確認するための目安となります。

すなわち下記の算式で10倍を超えている場合は、現状のキャッシュフローでは現状の借入金を返済するのに10年以上かかるということになるので、注意が必要です。

簡易キャッシュフロー × 10倍 > 借入金残高  正常範囲内

簡易キャッシュフロー × 10倍 < 借入金残高  上限値超過

⑶まとめ

会社が赤字だとしても、キャッシュフローが回っていれば、倒産することはありません。

逆に、会社が黒字だとしてもキャッシュフローが回っていなければ、倒産する可能性があります。

このような判断基準となりますので、キャッシュフローには、十分注視して頂きたいと思います。

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