あなたの会社は、経営資源である資本を使って何回転させることができているでしょうか?
今日は、そんな指標についてお話しさせて頂きます。
(1)何回転しているか?=総資本回転率
総資本回転率とは、企業が保有する総資本(自己資本と借入資本を合わせたもの)を活用して得た売上高に対する効率性を測る指標の一つです。
具体的には、総資本回転率は、売上高を総資本で割った値で計算されます。この指標は、企業がどの程度の効率で資本を活用して収益を生み出しているかを示すものであり、高い値であれば、企業が効率的に資本を活用していることを意味し、低い値であれば、企業が資本を浪費している可能性があることを示します。
(2)業種別の特徴
業種によって総資本回転率の特徴は異なりますが、一般的には以下のような傾向があります。
小売業や卸売業:総資本回転率が高く、商品の回転が速いため、資本回収期間が短い傾向があります。
製造業:製造業は、一般的には小売業や卸売業よりも低く、生産ラインや設備の更新など、大きな投資が必要なためです。
サービス業(賃貸業):総資本回転率は一般的に低く、資本を固定資産に投資する必要が少ないためです。
以上のように、業種によって総資本回転率には違いがありますが、高い総資本回転率を維持することは、企業の収益性を高めるために重要な要素の一つとなります。
(3)どれくらいあればいいのか
総資産回転率は1.0より大きければ大きいほど望ましいと言えます。
総資産回転率が大きい状態は「投資 → 販売 → 回収」のサイクルを何回転も回し、効率的に総資産を運用できており、会社にとっては理想的な状態です。
反対に総資産回転率が1.0を下回る場合は、総資産の運用効率がよくない状態と言われます。ただし、1.0付近であればそれほど問題はありません。
総資産回転率が大きく1.0を下回る場合は、「売上高が小さい」または「総資産が大きい」のどちらかの原因があります。
(4)総資本回転率が低い場合の対策
①資産の圧縮をする
総資本回転率の低下は、資産のうち不要なものを所有している場合にも関連しています。企業は、余分な在庫、廃棄物、過剰な設備などを削減することで、効果的な資産管理を実施する必要があります。
②売上高を増やす
総資本回転率は、売上高と直接関係しています。売上高が増えると、総資本回転率が向上します。そのため単価アップや客数増加を図り、売上高を増やすことが必要です。
③資本投資を見直す
資本投資は、企業が資本を使用してビジネスを拡大する方法です。総資本回転率が低い場合、資本投資の見直しが必要です。投資によって追加される価値が、その資本コストを上回ることを確認することが重要です。また、高コストなプロジェクトに投資する前に、低コストで同様の目的を達成できる代替案を検討することも必要です。
(5)まとめ
皆さまの会社の総資本回転率はどうなっていますか?
上手く資本を活用できているか?
確認してみましょう!