5,000円以下の飲食費とインボイス | かなえ経営株式会社(税理士法人トレイス)

インボイス

5,000円以下の飲食費とインボイス

5,000円以下の飲食費とインボイス

筆者:税理士 佐野 元洋
"中小企業の経営参謀"

接待交際費でも1人当たり5,000 円以下の飲食費は、税務上の交際費等から除外します。イン ボイス制度開始後、この “5,000円” はどう考えるのでしょうか。Q&A 形式で確認します。

5,000円の判断について

Q.
弊社は税抜経理方式を適用してお 交際費等に該当しない「 1人当たり5,000 円以下の飲食費」に関しては、消費税等の額を含めず(税抜)5,000 円以下かどうかで、判断を行っています。インボイス制度がスタートし ましたが、この税抜 5,000 円の判断について 留意すべきことはありますか?
弊社は消費税の課税事業者で、一般課税により納付すべき消費税額を計算しています。

A-1.1人当たり5,000 円以下 の飲食費

接待交際費のうち、次の算式で計算した1人当たりの金額が 5,000 円以下である飲食費 (社内飲食費を除く。以下同じ)は、一定の書類 を保存することを条件に、税務上、交際費等の範囲から除かれ、損金となります。

【算式】

この場合の “5,000円”とは、税抜経理方式 を適用している場合は消費税等の額を含めず、 税込経理方式を適用している場合はこれを含 めて判断します。

A-2. インボイス制度

インボイス制度が始まり、一般課税により納付すべき消費税額を計算する際、仕入税額控除を適用するには、原則として、インボイスの保存が必要となりました。
インボイス発行事業者でなければインボイス は交付できません。

そのため免税事業者などイ ンボイス発行事業者以外からの課税仕入れは、 仕入税額控除できません。

ただし経過措置とし て一定の要件の下、2023年10月1日から3 年 間 は 8 0 % を 、その後の3年間は50%を仕入 税 額控除できます。

A-3. インボイス制度下での 5,000 円


税抜経理方式を適用している場合、支払 先 がインボイス発行事業者か否かで基 準となる “5,000円” が次のとおり異なります。


【税抜相当額の基準額】



これは、仕入税額控除できない部分(経過措置として最初の3年間20% 、次の3年間50%、経過措置後100%)はコストとなるためです。
なお、この“5,000円” について、厚生労働省 が提出した令和6年度税制改正要望事項に、 物価の動向等を踏まえた金額の引上げがあり ます。こちらの動向も注視しましょう。

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